株式会社山田守建築事務所

日本武道館中道場棟増築

説明

日本武道館中道場棟は、日本武道館のオリンピック競技会場の決定を受け、半世紀余りの間に増大した練習・更衣・食堂など試合前の準備・ウォーミングアップのための所要面積のニーズを満たす場として本館南側に計画された。

本館大屋根は富士の裾野をモチーフにした雄大な反りを持ったカーブで、優美さの中にも力強さ・躍動感を感じさせる屋根であるが、中道場棟の屋根には心を落ち着かせる意匠が求められ、逆にごく僅かなムクリを持たせることとした。軒先の伸びやかな水平線と相まって静けさの中に緊張感を秘めたデザインとするとともに、屋根の高さは本館2階バルコニーの水平ラインと合せることで連続性を持たせた。

屋根材の色彩は公園の緑及び本館屋根との調和の観点から緑青色とし、人工的でのっぺりとした印象を与えないよう、ごく僅かな明度・彩度差の2色の屋根材をランダムに混ぜて葺く計画とした。本館でも使われている縦ルーバーを外壁面・窓に設け、外観に表情と陰影を与えるとともに、本館を含めた施設全体の統一感を造り出した。

本館地下2階アリーナ試合場へのスムーズな選手移動を確保するため、中道場棟地下2階に練習道場を設け、地下連絡道にて本館と接続している。400畳の練習道場はドライエリアに面した窓を南北両面に設け、採光・通風を確保している。

1階には多様な用途に対応できるようゆったりとしたスペースを確保したホール、レストラン、売店、貸会議室を設けた。公園散策者の利用を想定して1階ホールに隣接して大面積のトイレを設けている。男女トイレの仕切り壁は2カ所切り替え可能とし、イベントごとに異なる男女比への対応を考慮した。

建物概要

2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催に伴う日本武道館会場準備計画案に関する増改修工事監理業務

竣工年 :2020年

建築主 :日本武道館

用 途 :スポーツ練習場

延床面積:3,050㎡(延床面積) 1,479㎡(建築面積)

構 造 :SRC一部S

階 数 :地上1階、地下2階建

高 さ :8.1m(最高高さ) 4.1m(軒高)

所在地 :東京都千代田区北の丸公園2-3